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最上町は再生可能エネルギーの宝庫

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暑い日々が続きますが、みなさん、いかがお過ごしですか?

日焼けのあとが痛々しい状態の鈴木隊員です。

私も応援してましたが、日大山形 残念! 😥 でしたね。

でも、山形県初のベスト4 素晴らしいと思います。

 

さて、再生可能エネルギー推進の町として全国的にも有名な最上町。

8/18(日)に町の推進する”スマートコミュニティ構想”を広く知ってもらうという啓蒙活動の一環として開かれたのが、

 

「再生可能エネルギーフォーラム in 最上町」

 

私も当日、スタッフとして参加してきました。

 

午前中の第一部は”太陽光で光るエコライトを作ろう!”ということで子供達の工作体験が行われました。 

写真 (9)

 

子供たちもお母さん、お父さんたちも楽しんで工作されてました!

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作成したエコライトを外に持っていって太陽の光で充電したのち、

会場の電気を消すと……

 

光りました!

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子供たちからも歓声があがり、大喜び!でした。

子供たちにも”なぜ光がつくのだろう?”って、好奇心を持ってもらえたと思います。このような”エネルギーってなんだろう?”って好奇心を持ってもらえることが大事なことだと考えています。 

 

午後の第2部からは東北芸術工科大学の三浦准教授の公演「再生可能エネルギーで地域の自立 〜最上町の可能性〜」を聴かせて頂きました。目から鱗の話ばかりで大変勉強になったとともに、勇気付けられるお話でした。 

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みなさん、再生可能エネルギーって聞いた時に、どのようなイメージを持たれていますか?

”難しい”とか、再生可能エネルギーというと儲からないけど”環境”のためとか、”反原発”のためというイメージを持たれているかたが多いと思います。

でも、最上町の場合、違うんです!

実は町の雇用(ビジネス)という点ですごく大きなポテンシャルを持っているんだということが先生の話でわかりました。

生活するには電気が必要ですよね?火力発電所などで発電するには石油が必要です。これをお金を出して買う場合、買うお金は中東などの石油原産国に流れます。冬場の灯油代もかかりますよね?これもみなさんが出したお金は最終的には外国に流れていきます。

最上町の場合、灯油や電力など、ほとんど町の外に出て行くお金が約20億円もあるそうです。

とても大きなお金ですよね?

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それを町の外に出すのではなく、地域の中でエネルギーを創り出し、

地域内で循環させられれば、その分の地域の雇用も生まれる

先生の「地域でエネルギーをつくれば、地域の雇用も生まれる」という言葉、大変、心に残りました。

 

そんなことができるのでしょうか?と思う方もいるかと思います。

 

最上町のポテンシャルは実は非常に高いんです。

まず、全国的にも有名な最上町の”木質バイオマス”。

最上町は四方が山に囲まれ、面積の約8割が森林という特徴の町です。

この森林は町内の貴重な資源、町の宝になっています。

森林を適正に管理していくためには、間伐(かんばつ)という木の間引きが必要ですが、最上町では、間伐で発生するチップを燃料として利用し、エネルギー源として活用しています。間伐材として不要になるものが、エネルギーとして再利用される。まさに”エネルギーの地産地消”。一石二鳥の本当に素晴らしい循環ですね。町では視察にこられる方々に町内で食事をしていただいたり、宿泊いただくなど、観光につなげる為の旅行会社による視察ツアーも組まれており、多くの方々に利用頂いているという経済効果もあります。

 

最上町はその他にも様々な再生可能エネルギーに着目しています。

太陽光発電も有力です。現在、向町小学校、あたごこども園などに太陽光パネルが設置済ですが、さらに中央公民館、赤倉小学校への太陽光パネルの設置が続々と計画されています。

メガソーラーも検討されています。メガソーラーとは太陽光発電の非常に大きなものとイメージしていただければいいのですが、詳しくは出力1メガワット(1000キロワット)以上の大規模な太陽光発電のことをメガソーラーと言います。発電所を作るには広大な用地が必要ですが、最上町には前森地区などメガソーラーに適した場所が複数あり、具体的に県よりメガソーラー候補地に指定されている個所もあります。前森地区の候補地に1か所メガソーラーを設置した場合だけでも、町内500世帯分の発電を賄えるそうです。

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他にも風力発電のポテンシャルもあります。山形県では庄内地方が風力発電で有名ですが、三浦先生の話では最上町の場合、2,000kWの風力発電5基で町内全世帯約3,000世帯分の発電ができるそうです。

その他にも、東法田地区の小水力発電、赤倉、瀬見温泉の温泉熱を利用した消雪など、再生可能エネルギーのポテンシャルの宝庫なんです。

 

民間企業も色々な会社が重点分野として力を入れてます。”スマートシティ”とか”スマートグリッド”という専門言葉が飛び交う世界です。でも、どの企業も、実証実験をやっているレベルで、地域全体として見たときに、利益がきちんと出るビジネスモデルを作りきれていないと個人的には感じています。

最上町の現状ってどうなのか?というと最上町の再生可能エネルギーの比率は6%だそうです。 これってすごいことなんです。最上町は6%とはいえ、地域内で循環させるシステムを既に作り上げており、事業に携わっている方々の雇用も生んでいます。

最上町では2020年までに、年間のエネルギー消費量に対してエネルギー効率を20パーセント高め、再生可能エネルギーの比率を20パーセントに高める構想~最上町スマート・トリプル20~をスマートコミュニティ構想の数値目標として掲げています。

 

町内の方々には、

「最上町は再生可能エネルギーの宝庫」

「地域でエネルギーをつくれば、地域の雇用も生まれる」

ってことに対して、是非、今以上に関心を持っていただきたいと思っています!